秘匿IDマッチング手法「SGX-EIM」を開発!約11秒で1,000万件のデータを秘密計算することが可能に
おはようございます!
プライバシーテック研究所編集部です。
先週末、プライバシーテック研究所を運営するAcompanyで、秘匿IDマッチング手法「SGX-EIM」のリリースを公開しました!
「SGX-EIM」とはなにか
「SGX-EIM」とは、『インテル® SGX』が提供する保護領域を利用した、大量のデータを高速かつ安全に分析・処理できる秘匿IDマッチング手法です。2事業者が保有するデータから、データの横結合やクロス集計表の生成が可能です。
①高速に、大量データの秘密計算が可能
SGX-EIMは、データをマッチングしてクロス集計を行う処理を、100万件同士で1.8秒、1,000万件同士では約11秒の速さで行うことが可能です。
また今回の発表にあたり、データの横結合とクロス集計表生成のそれぞれについて、1,000件同士〜1,000万件同士の実行時間を計測しました。その結果、最大データ量の1,000万件同士のマッチング処理の場合は、データ横結合で13.6秒、またクロス集計表で11.5秒で加工、暗号処理、データ転送など全ての処理を完了させることに成功しました。
②安全な環境下での分析処理となり、安全管理措置の一つとして有用
SGX-EIMでは、計算過程で秘密計算を用いることで、個人データの提供者はもちろん、分析を行うエンジニアも含め、個人データの分析処理過程が閲覧できないようになっています。また、Remote Attestation ※というプロトコルにより、SGX-EIMで秘密計算を行うために実行定義したプログラムが動作することを保証できます。そのため、第三者の攻撃者がプログラムをすり替えたりするなど想定外の用途での利用を防ぐことが可能です。
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AcompanyR&Dチームは今まで、秘密計算や連合学習、k-匿名化などのプライバシーテック(PETs)の研究開発をしてきました。ここで生み出した研究成果を通じ、顧客課題にあわせた技術選定やリスク評価、システム設計などをサポートします。
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