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Appleが物申す、プライバシーはどこへ向かうのか【第72号プライバシーテック研究所メルマガ】
Appleビッグテックに対する規制に懸念を表明、羽田空港の約1000人分の顔データ、外部に持ち出し発生、他
おはようございます!
毎週月曜日朝6時に配信するプライバシーテック研究所ニュースレター。今週も、1週間のプライバシーテックに関するニュースを5分でキャッチアップできる内容をお届けします。
今週のトピックスは5本です。
Appleビッグテックに対する規制に懸念を表明
羽田空港の約1000人分の顔データ、外部に持ち出し発生
プレAで8億調達の見守りAIカメラのJUSTICEYEが見据えるプライバシー保護とは
エディオングループ不正アクセス報告、約8万件データ流出か
Acompany、データ利活用をサポートするプライバシーテックサービス「AutoPrivacy」を公開
Appleビッグテックに対する規制に懸念を表明
Apple CEOのティム・クック氏は12日、ワシントンで開かれたプライバシー保護に関するイベント「IAPPグローバルプライバシーサミット」で、ビッグテックへの法規制に懸念を示した。ワシントンポストによれば、クック氏は「この規制によりプライバシーとセキュリティ保護を損なう可能性があると警告した」という。
昨今、AppleだけではなくAndroidも含めアプリストアの寡占は以前から問題視されている。日本経済新聞によれば、すでに韓国ではgoogleやappleが自社の決済手段をストア内で強制することを禁止する「インアプリ決済強制禁止法」を2021年8月に成立させた。
もちろん、ビッグテックはやりすぎた。しかし、ユーザー自身のプライバシーを考慮すると、ビッグテックに委ねた方がいいとの意見も理解ができる。
羽田空港の約1000人分の顔データ、外部に持ち出し発生
個人データの取り扱いには十分注意をしないといけない。しかし、どう注意をしなければいけないのか、なかなか分かりにくいのも事実だ。
羽田空港国際線で運用されている顔認証技術搭載の搭乗手続きシステム「Face Express」が取得した顔データの外部持ち出し事案が発生した。これを受け、運営会社の東京国際ターミナルと日本空港ビルディングの両社は謝罪。今回の事案の要因は、システム委託先の元従業員によるものという。
幸いにも、持ち出された情報は4月8日までに全て回収して完全削除済み。第三者に漏えいした形跡はないとしているようだ。
今回問題となったFace Expressとは、パスポートと乗客の顔、そして搭乗券のみで手続きを可能としたサービス。2021年7月から日本航空と全日本空輸の国際線で導入されていた。
今回の事案で、どのデータが漏えいしたのかは指摘されていない。とにかく、どのデータかはさておき、顔データ自体は個人データに該当するので、今回の事例はだいぶシビアだ。
プレAで8億調達の見守りAIカメラのJUSTICEYEが見据えるプライバシー保護とは
見守りAIカメラ「JUSTY」を提供するJUSTICEYEは14日、ビックカメラなどからプレシリーズAで総額8億円を調達したと発表した。今回調達した資金用途は、開発やマーケティング、採用費用などに当てるという。
JUSTYとは、人感センサーやモーションセンサーなどを搭載した、高性能・超小型の防犯カメラ。海外では防犯面から家庭内に監視カメラを設置するニーズが高まっている。同社によれば、中国では6人あたり1台(約2億台)、米国は6.6人あたり1台(約5,000万台)、英国は13.5人あたり1台(約500万台)が設置されているという。
防犯カメラはどうしても「人」を監視する印象が強い。画像や動画のプライバシー保護の問題はセンシティブで、個人データの線引きが難しい。それに、顔データをインターネット上から収集するClearview AIの一件をどうしても想起してしまう。
エディオングループ不正アクセス報告、約8万件データ流出か
エディオンは11日、グループ内のサーバーにて不正アクセスが発生し、サーバー内で保管しているデータの削除、ならびに流出した可能性があるとのリリースを出した。該当件数は77,656件という。
個人情報の漏えい報告は年々増加。東京商工リサーチによれば、2021年に上場企業から流出した個人情報の件数は574万9,773人分。公表社数は120社、事故件数は137件と、こちらは調査開始の2012年以降過去最多だった。
また4月1日施行した改正個人情報保護法により、個人情報漏えいの場合は個人情報保護委員会への報告義務が課されるようになった。
今後、個人情報漏えいは厳しい目で見られるようになる。どうやってユーザーのプライバシーを守っていくべきなのか、再度検討する必要がある。
Acompany、データ利活用をサポートするプライバシーテックサービス「AutoPrivacy」を公開
Acompanyは13日、データ連携の課題を解決するサービス「AutoPrivacy」を正式に公開したと発表した。社内外問わず、さまざまなデータを連携させるデータコラボレーションを推進していく。
AutoPrivacyとは、データコラボレーションにおいて必要な「法的アセスメント」「入力(共有)」「計算(保管)」「出力」「価値評価」の5つの全フェーズを網羅できるサービス。現在は計算と出力のみの提供を行い、そのほかはコンサルティングにて補う。その後、順次対応できるフェーズを拡大していく予定だ。
【ブログ新着記事紹介】どう見る?JR東日本のデータ活用と個人情報保護法
どう見る?JR東日本のデータ活用と個人情報保護法 - プライバシーテック研究所
JR東日本は2022年5月からSuicaの統計情報をまとめた「駅カルテ」を販売すると発表。
2013年、JR東日本は日立製作所へ、無断で第三者提供を行なったことを指摘され、国内の個人情報保護法の有名事例となっている。
JR東日本は、少子高齢社会やMaaSなどの影響により移動ニーズの減少を鑑み、経営ビジョンで個人データの活用を掲げている。
【podcast紹介】準同型暗号のZama、CAOに暗号学者のナイジェル氏を起用
毎週水曜日の午後に配信している「プライバシーラボ」。プライバシーテックに関する情報を毎回15分ほどでゆるく深掘りしながらお届けしています。 今回のトピックは、
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改正個人情報保護法対応済みはたったの26%?pwc調査報告を公開
の3本です。