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Acompany ニュースレター 11/9号
Acompany ニュースレター 11/9号
こんにちは。Acompany ニュースレターを毎週配信しております、五十川です。
今週のニュースレターでは、MPCの実用に向けた研究・開発のニュースを紹介します。今週は、NTTと農研機構との共同研究の発表もあり、国内での秘密計算の動きも活発化していくことが期待されます。
それでは、今週のAcompany ニュースレターをご覧ください。
FeverIQが一流大学との共同研究でMPCを用いたCovid-19スクリーニングを実現
スタンフォード、オックスフォード、ブロード研究所の科学者たちが、FeverIQから提供された360万件の匿名の健康データとSMC(Secure Multiparty Computation:セキュアマルチパーティ計算)を活用して、ユーザーのプライバシーを損なうことなくCovid-19のスクリーニングを最適化する方法を実証しました。
Covid-19の検査をするためには、症状、検査結果、勤務先や睡眠場所、親しい人の連絡先など、機密性の高い情報を取り扱うことが必要です。 プライバシーと健康診断の精度は常にトレードオフの関係にあり、精度の高い検査にはより多くのプライバシー情報を必要とするため、データ漏洩の危険が高まります。
しかし、今回の大学とFeverIQの研究では、Covid-19のスクリーニングとプライバシー保護の両立を実現しています。セキュアなマルチパーティ計算を用いた分析で、比較的高い精度のスクリーニング結果を出しました。
MPCを用いた医療データの分析のユースケースとして、非常に注目すべきニュースです。
秘密計算技術で作物データ利活用を推進 NTTと農研機構が共同研究
NTTと農研機構が、秘密計算技術による作物ビッグデータ活用の共同研究を開始すると発表しました。
この研究では、NTTが提供する秘密計算技術を活用した各種分析手法の評価とデータを安全に利活用するノウハウを用いて、農研機構が所持する各種作物データ(サンプルデータ)を秘密計算上で分析します。
この研究を通して、世界最高水準の情報量を有する作物ビックデータと、安全かつ高度なデータ利活用のための解析エンジンを開発し、新品種の育成や営農を支援する情報システム開発による作物データ利活用の活性化を目指します。
(記事内より引用)
(日本語記事)https://www.jacom.or.jp/saibai/news/2020/10/201029-47421.php
ZenGoがVisaのFintech Fast Trackに参加
暗号ウォレットアプリ「ZenGo」が、VisaのFintech Fast Trackプログラムに参加しました。
ZenGoは、取引所を介さない独自ウォレットと、同社が「Keyless Wallet」と称しているMPCをベースとしたデータ保護によって安全性の高いシームレスな仮想通貨ウォレットとアプリケーションを提供しています。 このアプリでは、ユーザーが長い秘密鍵やパスワードを覚える必要がなく、生体認証のみで仮想通貨を利用することができます。
ZenGoは、今回のプログラム参加によって、米国内のユーザーにVISAデビットカードの提供を開始する予定で、その後、他の国への発売も予定されています。