【第50号】Acompany's Newsletter(11/8配信号)
Acompany's Newsletter
こんにちは。Acompany's Newsletter の配信を今週から担当する辻と申します。
先週のニュースダイジェスト
秘匿計算市場の規模、次の5年で最大26倍に
Acompany、NEDOの研究開発型スタートアップ支援事業(STS)に採択
EAGLYS、秘密計算技術をeラーニングで提供
PlatON、Google Cloudとパートナーシップに
秘匿計算市場のTAM、次の5年で最大26倍に
Everest Groupは秘匿計算市場の調査を実施し、調査結果『秘匿計算 – データセキュリティにおける次なるフロンティア(拙訳)』を公表した。本調査においては、Everest Groupの保有するデータセット、市場の主要なステークホルダー、CCC加入メンバー(アクセンチュア、アーム 、インテル、メタ、ファーウェイ、マイクロソフト等)の保有するデータをもとに市場評価がなされている。
秘匿計算市場のTAM(Total Addressable Market)は現在約20億円だが、2026年には最高26倍である約520億円、最悪の場合でも6倍の約120億円になると推定された。
本調査では秘匿計算の市場をハードウェア、ソフトウェア、サービスの3セグメントに分類しているが、クラウドサービスの隆盛の後押しもあり、今後5年間は秘匿計算ソフトウェアがTAMの60~70%を占めるという。
また、需要の75%以上は銀行・金融・保険・ヘルスケア・生命科学・公共部門・国防のような規制産業によりもたらされ、こうした主要産業領域において秘匿計算のもたらす利益や投資意欲は2026年にかけて2倍になるとしている。
地域別では、北米がTAMの40%近くを占める。中国を除いたアジア太平洋地域は最大25%、中国単体では最大15%、欧州が最大25%と予想されている。
ユースケース別では、パブリッククラウドを中心とするプライバシー・セキュリティ分野が最も勢いを増し、TAMの約30%を占めるという。マルチパーティ計算やブロックチェーンといった新しい技術が秘匿計算市場の多くのシェアを占めるという。
Acompany、NEDOが主催するSTSに採択
国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構 (NEDO)が実施した2021年度「研究開発型スタートアップ支援事業/シード期の研究開発型スタートアップに対する事業化支援(STS)」第2回公募に、秘密計算スタートアップのAcompany(カンパニー)が採択された。
STSとは国内からのユニコーン創出に向け、NEDOがベンチャーキャピタル(VC)などと共同で行う投資を行う投資・支援事業。過去には、医療用細胞の量産を目指すセルファイバや、Acompanyと同じく名大発ベンチャーの高い熱伝導率を有する新素材を開発するU-MAPなどが採択。研究を軸に事業を展開する企業にとって登竜門のような存在となっている。
今回の採択によりAcompanyは、プロダクト開発や秘密計算アルゴリズムの研究及び採用、組織体制の強化を行うことで、”プライバシー保護とデータ活用の両立”を目指すと宣言。引き続き、秘密計算の社会実装を加速させる考えだ。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000019.000046917.html
EAGLYS、秘密計算技術をeラーニングで提供
秘密計算技術をeラーニングで提供−−。秘密計算を手がけるEAGLYS(イーグリス)は、教育サービスを手がけるクシムが運営するオンライン学習管理システム『SLAP』上で「秘密計算技術」の解説コンテンツを発売すると発表した。
同社は、提供する秘密計算技術の内容は明らかにしていないが、「個別企業の課題解決だけでなく人材教育の面からもデータセキュリティ対策やAIの社会実装を推し進める一助」になるべく、『秘密計算によるデータ利活用とAI』というタイトルでコンテンツを提供していくという。
今回のサービス開始によりEAGLYSは、個別企業の課題解決にとどまらず、DX人材の育成により誰もがデータを安全かつ自由に使える社会の実現に貢献することを目指す。
https://www.eaglys.co.jp/news/press-release/20211101
PlatON、Google Cloudとパートナーシップ締結か
MPCや準同型暗号の開発に取り組むPlatON(シンガポール)は、Google Cloudと正式にパートナーシップを結んだ。
PlatONはGoogleCloudのパートナーとして、ブロックチェーン技術やプライバシー保護技術、エコシステム構築の研究開発を行い、基本的なアプリケーション技術やエンタープライズレベルの安全で効率的なクラウドベースのプラットフォームサービスを提供する。
Google Cloudとのパートナーシップにより、PlatONはGoogle Cloudが提供するクラウドサービスとコンピューティングパワーをPlatONの安全なマルチパーティ計算に利用できるようになる。
https://platonworld.org/technology/read-platon-and-google-cloud-become-partners-significantly/
https://cryptoslate.com/press-releases/platon-announces-partnership-with-google-cloud/
ブログ紹介
今週紹介するブログは
「どんな場面で秘密計算は効果的?ーー国内の秘密計算実証実験まとめ」
です。
「秘密計算は次世代の暗号化技術というが、実際に使うことができるのだろうか」と疑問を抱く人は多いのではないでしょうか。データを暗号化して分析する。聞こえはいいものの、実際に使っている事例を見聞きしないことには判断できないと思います。
秘密計算.jpの開催を踏まえ、事前に国内のPoC事例をいくつかまとめてみました。どのような現場で秘密計算が活躍しているのか、参考にしてみてください。