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【第50号】Acompany's Newsletter(11/15配信号)
Acompany's Newsletter
こんにちは。Acompany's Newsletter を担当している辻です。
一週間分の秘密計算関連ニュースをキャッチアップできる内容をお届けします。
先週のニュースダイジェスト
sMPCの生みの親アンドリュー=ヤオ氏の京都賞受賞記念講演が公開
ガートナーが「日本におけるセキュリティ (アプリ、データ、プライバシー) のハイプ・サイクル:2021年」を発表
sMPCの生みの親アンドリュー=ヤオ氏の京都賞受賞記念講演が公開
第36回(2021)京都賞特設ウェブサイトにて、コンピュータ科学者アンドリュー=ヤオ氏の、京都賞受賞記念講演と受賞者紹介動画が公開された。
「京都賞」は、科学や技術、思想・芸術の分野に大きく貢献した人物に贈られる日本発の国際賞。今年6月に3名の受賞者が発表され、ヤオ氏は先端技術部門で受賞した。
ヤオ氏は「計算と通信の革新的な理論モデルを発案し、現代の計算理論の潮流を築き、通信の観点から計算理論の体系を革新し、セキュリティ、プライバシー、並列計算、量子計算など、情報科学に大きな波及効果を与えた」ことを理由に受賞した。
受賞理由となる功績の一つに、1982年の論文におけるsMPC(secure Multi-Party Computation)の提唱がある。これは個々の情報のプライバシーを保ちつつ、敵対者を含む多人数で安全に計算を行う秘密計算法であり、AcompanyやNTT、NECが研究・開発している秘密計算技術もこの方式を基にしている。
https://www.kyotoprize.org/2021/
https://www.kyotoprize.org/2021/andrew_chi-chih_yao/
ガートナーが「日本におけるセキュリティ (アプリ、データ、プライバシー) のハイプ・サイクル:2021年」を発表
11月9日、ガートナージャパンは「日本におけるセキュリティ (アプリ、データ、プライバシー) のハイプ・サイクル:2021年」を発表した。
ハイプ・サイクルはガートナーの造語であり、「テクノロジとアプリケーションの成熟度と採用状況、およびテクノロジとアプリケーションが実際のビジネス課題の解決や新たな機会の開拓にどの程度関連する可能性があるか」を視覚的に示すものである。
今回のハイプ・サイクルにおいて、秘密計算を包むプライバシー強化コンピュテーション(PEC)は、もっとも黎明期に近いものとして位置づけられている。PECと共に黎明期に位置付けられているテクノロジには、ブロックチェーンを用いたデータ・セキュリティや、クラウド・ネイティブ・アプリケーション保護プラットフォーム(CNAPP)等がある。
ガートナーによると、2025年までに大規模組織の60%が、信頼できない環境や複数機関でのデータ分析のユースケースでPECを採用するようになるという。
https://www.gartner.co.jp/ja/newsroom/press-releases/pr-20211109
ブログ紹介
今回紹介するブログは「顔認証データは個人情報に含まれる?ーーJR東日本と成田空港の事例を紹介」です。
JR東日本が顔認識カメラを使い、刑務所からの出所者や仮出所者の一部を駅構内などで検知する防犯対策を実施していることが報道され、議論を醸したことは記憶に新しいでしょう。この記事では、現行の個人情報保護法の下でカメラ画像や顔認証データを活用する際の注意点や、実際のケースについて紹介しています。ぜひ一度目を通してみてください。
https://acompany.tech/blog/face_recognition-personal-imformation-protection/