【第39号】Acompany ニュースレター 8/2配信
Acompany ニュースレター 第39号
こんにちは。Acompany ニュースレターを毎週配信しております、赤尾です。
今週のニュースのダイジェストをお伝えします。
MPCを用いた暗号資産インフラに取り組むFireblocksが3億1000万ドルを調達
TencentとWPPが協力を発表、MPCと連合学習を用いたプラットフォームでデータサイロの防止に取り組む
また、今週紹介するAcompany Blog記事は「連合学習(Federated Learning)についてわかりやすく解説!」です。
それでは、今週のAcompany ニュースレターをご覧ください。
MPCを用いた暗号資産インフラに取り組むFireblocksがシリーズDで3億1000万ドルを調達
MPCを用いた暗号資産インフラのプロバイダーであるFireblocksはシリーズDにて、3億1000万ドル(約340億円)を調達しました。
加えて、暗号通貨保管プラットフォームのユニコーン企業として、20億ドル(約2190億円)の評価を受けました。
Fireblocksは、MPCのような暗号鍵を分散して管理できる技術を用いた暗号資産やトークンの保管ソリューションを提供しているため、銀行やFinTechプロバイダーなどから非常に注目されています。
また、Firebloksは今年の3月末にシリーズCで1億3300万ドルの調達を発表したばかりですが、4ヶ月ほどで倍以上の資金調達を達成しました。
今回の資金調達から、MPCを用いた暗号資産の管理が重視されているだけでなく、将来の暗号資産管理方法において必要な技術になることが予想されます。
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https://www.coindesk.com/crypto-custody-firm-fireblocks-raises-310m-at-2b-valuation
広告のデータサイロを防止するために、TencentとWPPが協力を発表
中国の大手テック企業Tencent(腾讯)はイギリスの広告世界最大手WPPと、データのサイロ化防止を目的として、中国の広告主がデータとAIを最大限活用するために協力することを発表しました。
データサイロとは、例えば、一つの企業の間で部署ごとにデータが別々の形式で保管されているため、他の部署からデータに容易にアクセスできない状態のこと言います。データがサイロ化しているとデータ活用・連携などが難しいため、広告主の情報などを簡単に分析・活用することができません。
また、Tencentは今年に入ってから、Tencent Cloud Secure Privacy Computingというプラットフォームをアップグレードし、連合学習やMPCなどのプライバシー保護技術を取り入れました。
そして両社は、連合学習やMPCなどの技術が用いられたプラットフォームがデータサイロの問題を解決すると考えており、データのサイロ化防止に取り組んでいます。
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Acompany Blog記事紹介
連合学習についてわかりやすく解説!
TencentとWPPのニュースにもありましたが、連合学習(Federated Learning:FL)とは、新たな機械学習の手法で、従来の機械学習が持つ弱点を克服した技術です。
Google社によって提唱されたこの技術は、データが分散した状態で機械学習を行います。
そのため一般的な機械学習が持つ、データの収集という手間や、データの計算による負荷、データの持ち主のプライバシーなどの問題点を解決できます。
例えば、GoogleはAndroidのGoogleキーボードに連合学習を取り入れています。
Google Keybordは連合学習を用いて、文字を入力している時に関連するキーワードを表示し、その候補の中から選んだキーワードをスマートフォンに学習させます。そして、必要な情報のみサーバーに送信して、より精度の高いキーワードを表示できるようにしています。
現在、連合学習は医療・金融など様々な場面での活用が進められています。