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【第34号】Acompany ニュースレター 6/28 配信
Acompany ニュースレター 第34号
こんにちは。Acompany ニュースレターを毎週配信しております、赤尾です。
今週のニュースのダイジェストをお伝えします。
第36回京都賞の先端技術部門で清華大学のアンドリュー・チーチー・ヤオ氏が受賞
Googleが完全準同型暗号のツールをオープンソースとして公開
また、今週紹介するAcompany Blog記事は「人のふるまいを分析して意思決定?ピープル・アナリティクスとは?」です。
それでは、今週のAcompany ニュースレターをご覧ください。
第36回京都賞の先端技術部門でアンドリュー・チーチー・ヤオ氏が受賞
公益財団法人稲盛財団は、科学や文明の発展、人類の精神的深化・高揚に著しく貢献した方々を讃える国際賞である京都賞の、第36回の受賞者を決定しました。
第36回では、情報科学分野・先端技術部門において、アンドリュー・チーチー・ヤオ氏が選ばれました。
ヤオ氏は清華大学・学際情報学研究院の院長であり、「計算と通信の新たな計算理論とそれに基づく安全性の基礎理論への先駆的貢献」が評価されました。
ヤオ氏が構築した計算・通信の革新的な基礎理論が、情報科学の新たな潮流を作り出し、セキュリティ・秘密計算・ビッグデータ処理など現代の社会問題についても影響を与えています。
セキュリティや秘密計算にまでも多大な影響を与えるヤオ氏が受賞したことから、同分野が注目されていることがよくわかります。
https://www.atpress.ne.jp/news/262694
Googleが完全準同型暗号のツールをオープンソースとして公開
Googleが完全準同型暗号(FHE)のツールをオープンソースとして公開したことを発表しました。
FHEとは、暗号化されたデータを復号せずに計算を行う計算手法であり、MPCと同様に、秘密計算の主な手法の1つとして活用されています。
GoogleのFHEツールを使うことによって、インターネットからサーバーまでのデータのやり取りを暗号化し、復号せずに処理することができます。
また、Googleのリリースは、テクノロジーの基盤を再発明するのではなく、改良してより幅広い展開・活用に適したものにすることに重点を置いています。
計算速度などの問題で実用化が難しいとされていたFHEの活用が、Googleのオープンソース公開によって、さらに盛んになることが期待されます。
Acompany Blog記事紹介
人のふるまいを分析して意思決定?ピープル・アナリティクスとは?
ピープル・アナリティクスとは、人材や組織に関する企業の意思決定にデータを活用する技術や仕組みのことを言います。
海外企業や異業種プレイヤーの参加・消費者の価値観の多様化などよって、ビジネスの不確実性や複雑性が高まっている中で、「人(従業員)」の価値が見直されています。
そして、様々なデータを対象とするピープル・アナリティクスの中で、特に従業員の「振る舞いデータ」が注目されています。
従業員の業務上の振る舞いデータを定量的に分析することで、従業員同士や従業員と組織の関係を可視化でき、人事や組織開発・業務改善などに役立ちます。
実際に、ピープル・アナリティクスは、Googleや日立製作所にて従業員の評価に用いられています。
しかし、従業員のデータを分析する際のプライバシーに対する懸念もあるため、今後、データポリシーやガイドラインの整備をするなど、安全にデータを扱うことができる環境づくりが必要となるでしょう。