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【第31号】Acompany ニュースレター 6/7配信
Acompany ニュースレター 第31号
こんにちは。Acompany ニュースレターを毎週配信しております、赤尾です。
先週は、日本の企業にて秘密計算技術の導入に向けた動きが見られ、秘密計算が注目されました。
今週のニュースのダイジェストをお伝えします。
FRONTEOがAI医療機器に秘密計算技術を導入するために、新規セキュリティシステムの開発を開始を発表
高度なプライバシー保護サービスを提供するBaffleがAmazon RDS(Amazon Relational Database Service)をサポートするためのMPC機能の拡張を発表
今週紹介するAcompany Blog記事は「【入門】秘密計算とブロックチェーンの違いをわかりやすく解説!」です。
それでは、今週のAcompany ニュースレターをご覧ください。
FRONTEOは秘密計算技術の導入に向けた新規セキュリティシステムの開発を開始
東京を拠点としたデータ解析企業であるFRONTEOは、AI医療機器に秘密計算技術を導入するために、新規セキュリティシステムの開発を開始したと発表しました。
同社は、現在臨床試験中の「会話型 認知症診断支援AIプログラム」のようなAI医療機器や、医療情報解析AIシステム、創薬支援AIシステムなどの開発や運用を行っています。
しかし、医療情報は個人情報を含み、管理や運用に細心の注意を払う必要があるため、データ活用をする際のハードルが高く、現状として医療情報はあまり活用されていません。
そこで、安全にデータの分析を行うことができる秘密計算を、医療情報のデータ分析に導入するケースが世界的に増えています。
安全に医療情報を活用することで、病気の新たな治療法の開発や稀な病気に対する研究などが盛んになると考えられています。
秘密計算を用いて、機密性の高い医療情報を安全に活用するという選択肢が広く普及することで、医療を介して世界がより豊かになるでしょう。
https://prtimes.jp/main/html/rd/p/000000376.000006776.html
BaffleはAmazon RDSをサポートするために高度なMPC機能を拡張
高度なプライバシー保護サービスを提供するBaffleは、Amazon RDS(Amazon Relational Database Service)をサポートするためのMPC機能を拡張したと発表しました。
Amazon RDSとは、AWSのリレーショナル型データベースであり、これを用いることでプロジェクトの計画からデプロイまでを簡単に行うことができます。
そして、Baffleのデータ保護サービスを用いることで、クラウド上のデータマスキングを可能にし、プライバシー規制の遵守・データ漏洩リスクの削減を行いながらデータを保管することができます。
また、BaffleはAmazon RDSの唯一のベンダーであり、顧客がデータをクラウドに移行すると同時にデータを匿名化し、Amazon RDSでの分析を容易にできるようにします。
Amazonが提供するデータベースにBaffleがMPC機能を拡張することで、Amazon RDSは、より安全で、よりプライバシーに配慮したデータベースになると考えられます。
https://www.helpnetsecurity.com/2021/06/04/baffle-amazon-rds/
Acompany Blog 記事紹介
【入門】秘密計算とブロックチェーンの違いをわかりやすく解説!
秘密計算・ブロックチェーン(BC)の2つの技術は、新たなデータを守るセキュリティ手段として注目されています。
秘密計算とは、暗号化したまま計算を実行する技術のことであり、データを秘匿化した状態で計算・分析を行います。
秘密計算技術を用いることで、データ分析実行時であっても秘匿化状態でデータを扱えるため、高いセキュリティ水準を保つことが可能です。
一方、BCとは、仮想通貨などの取引データを複数人で管理する技術のことであり、最大の特徴として、中央管理者を必要としないことが挙げられます。
BCでは、参加者が取引を行なった時、他の多数の参加者がその取引に関する記録を保持し続けるため、生み出された取引情報が証拠として残り続けます。
そして、BCは不正や改ざんを許さずに取引の履歴を記録し続けるため、金融のような高い信用度が求められる分野で活用されています。
デメリットとしては、秘密計算は実装難易度や計算時間について問題がありますが、BCは安全性の問題や悪意のある参加者を排除できない点に問題があります。